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二分脊椎の原因
完全には解明されていません。しかし次の3つの因子が強く関連しています。
- 1.栄養学的因子
- 1991年に英国の研究グループが、過去に神経管閉鎖障害(二分脊椎または無脳症)の赤ちゃんを妊娠した経産婦に、葉酸サプリメント4,000マイクログラム(=4mg)を妊娠前4週から妊娠12週まで投与しました。すると神経管閉鎖障害の再発が、葉酸サプリメントを内服しなかった群に比べて72%防止されることが判明しました(無作為比較試験)。
- 2.環境因子
- 抗てんかん薬の内服、糖尿病にかかっている母親、高度の肥満、喫煙、妊娠初期の高熱発作、ビタミンAの摂り過ぎ、放射線被爆、不妊症などで二分脊椎の発生リスクが高まります。
- 3.遺伝子因子
- 二分脊椎の発症は人種、地域により大きく相違し、これは遺伝子因子が関与している証拠です。さらに葉酸を代謝する酵素の働きが低下している遺伝子多型があります。この遺伝子多型(MTHFR 677TT)を持つ女性は、体内で葉酸を充分に活用できず、ホモシステインの血清濃度が上昇し、二分脊椎の赤ちゃんを妊娠するリスクが高まります。しかしこの女性でも妊娠前から葉酸サプリメントを内服すれば、二分脊椎の赤ちゃんの発生リスクはこの遺伝子多型を持たない女性と変わりません。